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アイドルを見ているだけの女

いつか凱旋門で ~ウマ娘ナカヤマフェスタへの感情文

こちらの記事はビア鯖アドベントカレンダーmstdn.beer Advent Calendar 2022 - Adventarに便乗してオタク話をしたいだけのものとなっております。

ダルいほどに長くポエミーなのでお酒のアテの代わりにでもしていただけると幸い。しらふで読まないでください。

企画運営のてすとくんちゃん毎年ありがとうございます!おかげでオタクくん早口になっちゃうな!あとなんで私は二年周期で参加するんだ!?

 

 

さて。

夏ごろ、推しの影響を受けてウマ娘をインストールしました。

ソシャゲ界のサグラダ・ファミリアなんて言われていたのも懐かしくすっかり大人気コンテンツとなっているウマ娘「インストールしたら絶対にドハマりして生活に支障をきたす(そもそも支障をきたすような生活はない)」と思ってプレイしていなかったんですが推しに背中を蹴っ飛ばされるようにインストールし、そのまま2日くらい寝ずにストーリーを読み。

競馬の知識が「ディープインパクトハルウララならギリ知ってる」くらいの人間だったので脚質やレースの開催時期を覚えるまで育成でボコボコに負け、せっかく引いた温泉(=めっちゃレアなイベントを見る権利)を逃したことすらありました。

そうしてアドマイヤベガを筆頭とした様々なキャラのストーリーに没頭していた最中の11月。

まったくの死角、というか、「ギャンブル大好きステゴ一族」としか認識していなかったナカヤマフェスタ(以降、ウマ娘をナカヤマ、実馬をナカヤマフェスタと記載)のストーリーにぶん殴られることになりました。

 

そもそもこのアプリでは、プレイヤーはウマ娘という陸上選手のタマゴにつく指導者。ひとりのウマ娘の専属トレーナーとして契約を交わすところから「大事な最初の三年間」を共に駆け抜けるまでが個々のストーリー。パワプロの美少女版と言ってもいいかもしれないパワプロそんなにやったことないけど。

基本的には実馬の競走成績に則ってストーリーの目標が掲げられますので、多少の省略や時系列の変更はあれど実馬の活躍を見るとなんとなくウマ娘でのストーリー、最終的な目標レースも予想できるところがあります。

でもナカヤマの実装が予告された時に調べた成績ではどれを最終的な目標にするのかわからなかった。それは何故か?

ナカヤマフェスタ最大の活躍であるフランス・ロンシャンで行われる凱旋門賞は、ウマ娘のストーリー内で走れるレースではないからです。

 

これまでも育成ストーリーの実装されたキャラで凱旋門賞並びに海外レースを駆け抜けたウマ娘は何人かいましたが、私の読めている範囲では「三年間走りきったあとのエンディングで海外に向かう」パターンが多い。

国内外を問わず活躍した馬ならばそれでもよいでしょう。しかしナカヤマフェスタは派手さのない戦績、という感じの数字が並ぶ。凱旋門賞を除けば競馬初心者にとってわかりやすく目立つのは単勝8番人気の中名馬たちを差しきったG1宝塚記念くらいで、いやいやギャンブル大好きキャラだからってここ一点賭けでストーリーを作るのか?と気になっていると、実装直後にナカヤマを入手しストーリーを読んだプレイヤーがある記事へのリンクを貼っていました。興味の赴くままに読む。

 

宝塚好きだった娘の馬が、宝塚記念に勝って、フランスびいきだった娘の憧れだったロンシャンにやってこられた。それだけで十分すぎるんですが、これと勝負は別物ですから、ぜひ賞金を持って帰りたいと思っています

【第1回】ロンシャンに咲くすみれの花(前編) | 中山馬主協会最高顧問・和泉信一さん | ホースマン・サロン | 一般社団法人中山馬主協会

で、わかりました。ウマ娘ナカヤマフェスタは、凱旋門賞一点賭けのストーリーを紡ぐのだと。

 

ウマ娘ではいつも新実装キャラのストーリーの序盤、出会いから契約までの流れを無料公開しています。さっそく読みに行くと、そこにいたのはダウナーでアウトローな雰囲気を持つナカヤマと、アカギかカイジかみてえなチキンレースをする私(トレーナー)と、もう一人。

「先生」という病床の女性の姿がありました。

上述のインタビューを読んだあとですから、この先生のモデルがナカヤマフェスタの前馬主さんであることは明白です。そしてこの無料公開分のストーリーだけで私の考えが当たっていたことがわかります。

絶対にこの子の結末を見届けるぞという思いでガチャを回し、育成を開始。

で、面白いくらいに号泣しました。各話のサブタイトルの一部を見て欲しいんですが、
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一部だけでもうこれです。答えがここにありました。なんかちょっとBUMPっぽくもある。あるか?

ストーリーは本当に凱旋門賞一点賭け、というかそれ以外のレースの存在感がいい意味でめちゃくちゃ薄いです。最終目標以外に扱いが大きいのが実馬が惨敗した中日新聞杯と初G1勝利である宝塚記念のふたつという極端さ。けれどもこれがナカヤマと先生のストーリーとして一番美しい形だったと納得できるのもすごい。

スリルを、生の実感を求めて危険な遊びをしていた幼いナカヤマをレースの道へ導いた先生。そんな恩師に希望を見せるべく走るナカヤマとそれを支えるトレーナー。実際の同期であるギャルウマ娘トーセンジョーダンや海外遠征への先駆けとなった大先輩シリウスシンボリ凱旋門賞で惜敗に泣き日本に世界への夢を見せたエルコンドルパサーたちとの関わりも折り重なって、ナカヤマの物語はどんどん加速していく。

クラシック三冠を走り、中日新聞杯を走り、宝塚記念を走り、ジャパンカップを走り、そうしてついにパリ・ロンシャンへ。

 

実際のナカヤマフェスタの陣営は当時のエルコンドルパサーが遠征した時に関わっていたスタッフをかき集め凱旋門賞への準備を整えたそうです。そんなかれらに与えられた名前はチームすみれの花。パリと歌劇を愛した彼女の馬であるナカヤマフェスタを支えるのにこれ以上ふさわしい名前も無かったでしょう。

そして調教師や騎手の概念がないウマ娘でのチームすみれの花の構成は、トレーナー、エルコンドルパサースペシャルウィーク、そして先生。

 

あわい紫の瞳とすみれの刺繍の勝負服でロンシャンを駆けたナカヤマがどうなったのかどうか、史実を覆したのかどうかもわからない形でエンディングは描かれます。

でも確かにそこに先生はいました。凱旋門賞パドックに立つナカヤマに、和装で手を振る先生が。

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願わくばロンシャンでも、結果がどうあろうとも、こんなふうにナカヤマが先生を振り返り微笑むことができていたらと願わずにはいられない。

いつか日本馬が凱旋門賞を制覇する時を夢見てしまうほど鮮烈な、祈りときらめく命たちの物語。いつかそんな日が来たら、これまで凱旋門賞へチャレンジしてきた数々の名馬たちにもきっと想いを馳せるだろうなあというストーリーでした。

 

 

というわけでめちゃ長いうえに文章もボロボロですが2022年のアドカレです!!

モチーフにしているだけにしても20年前にはふつうに生きていた人間の生死についてのifという、ギリギリのテーマにハラハラしたりもしましたが、それを上回るセリフ回しや演出の良さにオタクは抗えず…最推しであるはずのアドマイヤベガではなくナカヤマフェスタについて語ってしまうというわたくしの人間性が見えるアドカレになりました。もはやアドカレになってるのかもよくわからん。というかこの記事が酒のつまみになるのかもわからない。なるのか?

2023年もいい感じにウマ娘追いかけつつ、最推し99年クラシック世代最後のナリタトップロード実装をわくわくしながら待ちます!年末年始もソシャゲだ~!!!

 

ここからはおまけ


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「先生が確実に生きている今凱旋門賞へ行くか、あと一年入念に準備してから行くか」迷うナカヤマへの先生の台詞。確かにナカヤマはギャンブル狂だけど、先生のほうがギャンブラーとして腹が据わってる説。自分の命さえベットしろと元教え子に言える強さよ



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育成目標最終レースを勝利し、観客を熱狂させたナカヤマを見届けた海外遠征の大先輩・シリウスシンボリの言葉。エルコンドルパサーが二着をとったことにより日本は熱狂したけれど、後続の挑戦者たちがふるわなかったことへの、それでも凱旋門賞という夢を見続ける者たちへの賛歌。さすが問題児たちの王…。


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ナカヤマの勝負服全身図。胸元にはすみれを、首からは運命をひっくり返すダイスを。カッコよくてかわいいんですがこのニット帽真夏でも脱がないのでそれだけちょっとシュール。

 

 

こんどこそおわり!みなさまよき聖夜と、あと有馬記念も忘れずに~!(アドカレであることを考慮したあいさつ)

 

2022/12/13 ロブロイガチャにボロ負けしたあさお